超電導現象は, 各方面 特にエネルギー機器にその応用が期待され,現在各種マグネット,超電導電力機器(発電機,エネルギー貯蔵,限流器),核融合用マグネット,磁気浮上列車等の開発研究が進められている. 当研究室でも、東京大学、上智大学、熊本高専、関西電力、住友電工、三菱電機、東芝三菱電機産業TMEIC,宇宙航空開発研究機構(JAXA)、IHI、大陽日酸などと共同で以下の研究を行っている.
超伝導線材の超伝導・常伝導相転移を用いた故障電流限流器の設計と特性に関する研究を行う.
液体水素および窒素で冷却した超電導材料の特性を評価し、冷却安定性、設計指針について実験的・解析的検討を行う。
伝導冷却高温超電導線材を用いたMRIマグネットの磁場安定性に関する研究を行う。
液体水素冷却超伝導マグネットを用いた回転機の開発に関する研究を行う。
地球温暖化問題や電力事業の自由化に伴い、成熟しているといわれる現在の電力エネルギーインフラは変革を求められている。太陽光・風力・潮力など再生可能エネルギー源や燃料電池、マイクロガスタービンなどが需要地側の系統に導入され、能動的な負荷やエネルギー貯蔵・制御機器が連系されるであろう将来のシステムに対して、東京大学、関西電力、TMEICなどと共同で以下の研究を行っている.
分散電源や能動的負荷を含む負荷系統の総合的な動特性を系統的に同定・評価する。
微少電力変動に対する系統応答から系統の固有値・固有ベクトルを測定し安定度や運用状態を把握する。
核融合炉用あるいはエネルギー貯蔵用大型超伝導マグネットの設計やその安定性解析の基盤となる超流動状態を含む極低温液体ヘリウム、液体水素、液体窒素等の定常・非定常冷却現象の解明を行っている。核融合科学研究所(NIFS)、日本原子力研究開発機構(JAEA)、宇宙航空開発研究機構(JAXA)などと共同研究を進めている。
優れた冷却特性を持つ超流動液体ヘリウムによる大型超伝導マグネットの高安定化を目指した冷却設計のデータベース確立を目指す。
液体水素はエネルギー貯蔵機能とともに、超電導材料の冷媒としても優れた特性を持つ。液体水素冷却超伝導機器を目指した冷却設計のデータベース確立を目指す。